「定期借家」の部屋を借りる前に、契約書のどこを見るか

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物件情報の契約形態の欄に、小さく「定期借家」と書かれていることがあります。見落としやすい4文字ですが、住める期間に直接かかわる言葉です。

普通の賃貸と、どこが違う?

ふつうの賃貸契約(普通借家)は、2年などの期間が決まっていても、貸主は「正当事由」がなければ更新を断れません。借りる側が住み続けたければ、基本的には更新して住み続けられます。

定期借家は、期間が満了すると更新されずに契約が終わります。制度ができたのは2000年(平成12年)3月1日。根拠は借地借家法の第38条です。

国土交通省の資料では、期間がはっきりすることが貸す側にとっての利点とされています。期間が来れば部屋が確実に戻るので、持ち主が転勤しているあいだだけ貸す、建て替えの予定が決まっている建物を予定の日まで貸す、といった使い方ができます。募集の家賃が周りより低めに見える部屋があっても、それは住める期間の制限とセットだと考えておくと、判断を誤りにくくなります。

住み続けたい場合は、貸主と借主があらためて契約を結ぶ「再契約」になります。再契約できるかどうかは貸主との合意しだいで、約束されたものではありません。

契約の前に、別の紙で説明がある

定期借家では、契約の前に貸主から、契約書とは別の書面で「この契約は更新がなく、期間の満了で終わります」という説明を受けます(借りる側が承諾すれば、電子データで受け取る形もあります)。

この説明がなかった場合、「更新がない」という取り決めは無効になります。手元の書類に、この説明の書面があるかどうかは確かめておきましょう。

契約期間が1年以上の場合、貸主は期間満了の1年前から6か月前までのあいだに、「期間の満了で契約が終わります」という通知をすることになっています。この通知がないまま期間が来ても、すぐには出ていく必要はありません。通知が遅れた場合は、通知から6か月たつまで、契約の終了を借主に主張できないとされています。

途中で出たくなったら?

ここは借りる側が気にしておきたいところです。

居住用で、床面積が200㎡未満の部屋なら、転勤、療養、親族の介護などのやむを得ない事情で住み続けるのが難しくなったとき、借主から解約を申し入れることができます。契約は申し入れの日から1か月で終わります。この決まりより借主に不利な特約は無効です。

逆に言えば、「やむを得ない事情」にあたらない、たとえば単に気が変わったという理由での途中解約は、契約書の特約しだいになります。中途解約の条項があるか、違約金の定めがあるかは、申し込みの前に読んでおいてください。

家賃の改定にも注意

普通借家では、周りの相場と比べて家賃が不相当になったとき、貸主も借主も家賃の増額・減額を求めることができます(借地借家法32条)。

定期借家で「家賃の改定についての特約」がある場合、この32条は適用されません。たとえば「期間中は家賃を変えない」という特約があれば、その期間は家賃が据え置かれます。安心材料にも、交渉の余地がない材料にもなる取り決めです。

契約前の確認リスト

申し込みの前に、次の点を担当者に聞いておくと、あとで慌てずに済みます。

  • 契約期間は何年何か月か。終わる日はいつか
  • 再契約の可能性はあるか。あるなら、そのときの条件の考え方
  • 中途解約の特約はあるか。違約金はあるか
  • 家賃の改定についての特約はあるか
  • 事前説明の書面はいつ、どの形でもらえるか

期間がはっきりしている分、短期間だけ住みたい人には合うこともあります。数年後の暮らしの予定と、契約の終わる日を並べてみる。定期借家を選ぶかどうかは、そこで決まります。

参考

  • 借地借家法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090
  • 国土交通省 定期借家制度の資料(PDF) https://www.mlit.go.jp/common/001170115.pdf
  • 国土交通省 定期借家制度の資料(PDF・その2) https://www.mlit.go.jp/common/001170116.pdf

「この駅ってどう?」の一言から、お気軽に。

真剣に検討中でなくても、内見が前提でなくても大丈夫。知り合いとお茶するくらいの感覚で、街や部屋のことを聞きに来てください。

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